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転びやすい? シニアのバランス能力、原因と自宅でできる予防策

Tags: 転倒予防, バランス, 体操, シニア, 健康寿命

最近、段差につまずいたり、ふらつくことが増えたと感じていませんか。年を重ねると、誰でも体の変化によってバランスを保つことが難しくなることがあります。転倒は骨折などの大きなけがにつながる心配もありますので、日頃からバランス能力に意識を向けることが大切です。

この記事では、なぜ年を取ると転びやすくなるのか、ご自身のバランス能力を簡単にチェックする方法、そして転ばないための自宅でできる予防策について、Q&A形式で分かりやすくご説明します。

Q: なぜ年を取ると転びやすくなるのですか?

A: バランスを保つ体の機能が、年のせいなどで少しずつ衰えるためです。

詳しい解説

私たちは、立ったり歩いたりする時に、体の様々な部分を使ってバランスを取っています。主なものは以下の通りです。

年を重ねると、これらのバランスに関わる機能が少しずつ変化することがあります。例えば、筋力が弱くなったり、足の裏の感覚が鈍くなったり、目で見た情報を処理するのに時間がかかったりします。また、病気や薬の影響でバランスが不安定になることもあります。

これらの変化が組み合わさることで、以前よりもふらつきやすくなったり、小さな段差でもつまずきやすくなったりすることがあります。

Q: 自分のバランス能力は大丈夫か、どうやってチェックできますか?

A: ご自宅で簡単にできるチェック方法があります。安全な場所で行いましょう。

詳しい解説

特別な器具は必要ありません。自宅の安全な場所で、壁や家具に手をつけるようにして行ってみましょう。

いくつかの簡単なチェック方法をご紹介します。無理はせず、できる範囲で行ってください。

チェック方法の例:

  1. 片足立ち:

    • 床の硬い場所を選びます。
    • 壁や椅子につかまれるように近くに立ちます。
    • どちらか一方の足を少し持ち上げて、片足で立ちます。
    • 手は壁や椅子に軽く触れる程度にします。
    • どれくらいの時間、安定して片足で立てるか見てみます。無理ならすぐに足を下ろしてください。
  2. 継ぎ足歩行(タンデム歩行):

    • まっすぐな線の代わりになる場所(部屋の端など)を見つけます。
    • 壁や家具につかまれるように近くで行います。
    • かかとに反対側のつま先をぴったりつけて、直線上を歩いてみます。
    • 数歩で構いません。ふらつかずに歩けるか見てみます。

これらのチェックはあくまで目安です。もし、少しの片足立ちも難しかったり、継ぎ足歩行で大きくふらついたりする場合は、バランス能力が低下している可能性が考えられます。

Q: 転ばないようにするために、自分でできることはありますか?

A: 日頃からバランスを鍛える軽い体操や、生活の中での工夫が大切です。

詳しい解説

バランス能力は、年齢に関わらず、適切に体を動かすことで維持したり、改善したりすることが期待できます。また、転びにくい環境を整えることも重要です。

1. バランスを鍛える体操(できる範囲で、無理なく行いましょう)

これらの体操は、毎日少しずつでも続けることが効果的です。体調の悪い時は無理せず休みましょう。

2. 生活の中での工夫

まとめ

年を重ねることによる体の変化でバランス能力が低下し、転倒しやすくなることがあります。ご自宅で簡単にバランス能力をチェックし、バランスを鍛える軽い体操や、住環境を整えることで、転倒のリスクを減らすことができます。

今日からできることから少しずつ始めてみましょう。

ただし、急にふらつきがひどくなった、めまいが頻繁に起こるなど、心配な症状がある場合は、自己判断せず、必ずかかりつけ医や専門医(整形外科や脳神経内科など)に相談してください。専門家のアドバイスを受けることが、安全な毎日を送る上で最も大切です。