指の関節が痛い? シニアの指の痛み、原因と自分でできる対策
指の関節に痛みがあると、日常生活の色々な場面で困ることがありますね。物をつかむのが難しくなったり、朝起きた時に指が動かしにくかったりすることもあるかもしれません。
この記事では、シニア世代によく見られる指の関節の痛みの原因や、ご家庭でできる簡単なケア方法、そしてどのような時に専門医に相談した方が良いのかについてお話しします。
Q1: どうして指の関節が痛くなるのですか?
A1: いくつかの原因が考えられます。
年を重ねると、体には様々な変化が起こります。指の関節の痛みも、その変化の一つとして現れることがあります。痛みの原因は一つだけではなく、いくつかの理由が考えられます。
詳しい解説
指の関節の痛みは、主に以下のような理由で起こることがあります。
-
関節の使いすぎや加齢によるもの 長い間、指の関節を使ってきたり、年を重ねたりすることで、関節の軟骨(骨と骨の間にあるクッションのようなもの)がすり減ったり、骨の形が変わったりすることがあります。これは「変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)」と呼ばれる状態の一つです。特に指の第一関節(爪に近い関節)や第二関節(真ん中の関節)によく見られます。「ヘバーデン結節(ヘバーデンけっせつ)」や「ブシャール結節(ブシャールけっせつ)」と呼ばれることもあります。痛みに加えて、関節が腫れたり、コブのようなものができたり、指が曲がってしまうこともあります。
-
体の免疫の仕組みに関わるもの 体の本来の防御機能である免疫の仕組みが、自分自身の関節を攻撃してしまうことがあります。これは「関節リウマチ(かんせつリウマチ)」と呼ばれる病気です。指の関節にもよく起こり、特に朝起きた時に指がこわばって動かしにくいという特徴があります。多くの場合は複数の関節に症状が出ることがあります。痛みや腫れが強く出ることもあります。
-
指の使いすぎによる腱(けん)の問題 指を曲げたり伸ばしたりする際に使う「腱(けん)」というひも状の組織が、使いすぎで炎症を起こしたり、スムーズに動かなくなったりすることがあります。「ばね指」と呼ばれる状態では、指を曲げ伸ばしする時に引っかかりを感じたり、カクンとなることがあります。
-
その他の原因 痛風(つうふう)のように、体にたまった物質が関節に炎症を起こすことで痛みが起きることもあります。
これらの原因を自分で判断するのは難しいです。どのような原因で痛みが出ているのかを知るためには、専門的な診察が必要になります。
Q2: 指の痛みを和らげるために、家でできることはありますか?
A2: いくつかの方法があります。
痛みの原因によって適切なケアは異なりますが、一般的な指の関節の痛みに対して、ご家庭でできることがあります。ただし、これはあくまで痛みを和らげるための工夫であり、根本的な治療ではありません。
詳しい解説
-
指を使いすぎないようにする 痛みがあるときは、無理に指を使わないようにしましょう。痛む作業は避けたり、休憩を挟んだりすることが大切です。例えば、重いものを持つ、細かい手作業を長時間続けるなど、指に負担がかかることは控えるように心がけてください。
-
温めるか、冷やすか 痛みが強い、ズキズキするといった「急性期」の痛みには、冷やすと楽になることがあります。濡らしたタオルや保冷剤などを布で包んで、痛む部分に当ててみましょう。一方、慢性的な痛みや、朝のこわばりがある場合には、温めると症状が和らぐことがあります。お湯に手をつけたり、温かいタオルで包んだりしてみてください。どちらが良いかは、ご自身の感覚で試してみてください。
-
簡単な指の運動 痛みがない範囲で、指の関節を軽く動かすことは、関節の動きを保つのに役立ちます。無理のない範囲で、ゆっくりと行いましょう。
- 手を軽く握って、ゆっくり開きます。これを繰り返します。
- 指を一本ずつ、根元から順番にゆっくり曲げたり伸ばしたりします。
- 親指と他の指の先を合わせるように動かします(OKサインのように)。
これらの運動は、痛みが強い時には行わないでください。
-
サポーターなどを利用する 指用のサポーターやテーピングは、関節を安定させ、痛みを和らげるのに役立つことがあります。ただし、きつすぎると血行が悪くなることがありますので、適切なものを選び、使用方法を守ることが大切です。
Q3: どんな時に病院に行ったほうが良いですか?
A3: 症状が続く場合や、他の症状がある場合は専門医に相談しましょう。
指の関節の痛みが長く続く場合や、痛みがだんだん強くなる、他の症状も伴う場合は、自己判断せずに専門医の診察を受けることが大切です。
詳しい解説
以下のような場合は、一度専門医(整形外科医など)に相談することをおすすめします。
- 痛みが始まった原因が思い当たらない
- 痛みがだんだん強くなっている
- 痛む関節が腫れている、赤くなっている、熱を持っている
- 朝起きた時に指がこわばって動かしにくい状態が長く続く
- 指が変形してきたように見える
- 他の体の部分の関節にも痛みや腫れがある
- ご家庭でのケアをしても痛みが良くならない
- 痛みのために日常生活に支障が出ている
これらの症状は、早めに適切な診断と治療が必要な病気のサインかもしれません。
専門医に相談する際は、いつから痛みが出たか、どのような時に痛むか、痛みの強さ、他に気になる症状(腫れ、こわばり、体の他の部分の症状など)を具体的に伝えられるようにしておくと良いでしょう。
まとめ
指の関節の痛みは、加齢や使いすぎ、あるいは体の病気が原因で起こることがあります。ご家庭でできるケアもありますが、痛みが続く場合や症状がひどくなる場合は、早めに専門医に相談することが大切です。
この記事は一般的な情報提供であり、個別の症状に対する診断や治療法を示すものではありません。ご自身の症状については、必ず専門医の診察を受けてください。