足がつる(こむら返り)? シニアの足のつり、原因と自分でできる対策
シニアの体と心の健康相談室の記事をお読みいただきありがとうございます。
今回は、多くの方が経験する「足がつる」、特にふくらはぎがつる「こむら返り」についてお話しします。足のつりは突然起こって辛いものですが、原因を知って対策することで、和らげたり予防したりすることが期待できます。
Q&A1: なぜ足がつる(こむら返り)のですか?
A1: 様々な原因が考えられます。
足の筋肉が突然硬くなってしまい、元に戻らなくなる状態が「つり」です。特にシニア世代では、体の変化やつかっているお薬などが原因でつりやすくなることがあります。
詳しい解説
足がつる主な原因には、次のようなものがあります。
- 水分が足りない 体の水分が不足すると、筋肉の動きに必要なバランスが崩れることがあります。夏場の暑い時や、寝ている間に汗をたくさんかいた時などに起こりやすいです。
- 体の冷え 体が冷えると、血の巡りが悪くなり、筋肉が硬くなりやすくなります。特に冬場や、夏場でもエアコンの効いた部屋に長時間いるときなどに注意が必要です。
- ミネラル不足 私たちの体の動きには、マグネシウムやカリウム、カルシウムといった「ミネラル」という栄養素が大切です。これらのミネラルが不足すると、筋肉や神経の働きがうまくいかなくなり、つりやすくなることがあります。
- 筋肉の疲れ いつもよりたくさん歩いたり、立ちっぱなしでいたりすると、筋肉が疲れてつりやすくなることがあります。
- 血行が悪くなる 足の血の巡りが悪いと、筋肉に必要な栄養や酸素が届きにくくなり、つりやすくなることがあります。
- 特定の病気やお薬 糖尿病や腎臓の病気など、体の病気が原因でつりやすくなることがあります。また、飲んでいるお薬の種類によっては、副作用として足がつりやすくなるものもあります。
Q&A2: 足がつってしまったら、どうすればよいですか?
A2: 落ち着いて、ゆっくりと筋肉を伸ばしましょう。
足がつってしまったときは、急に動かしたり慌てたりせず、まずは落ち着くことが大切です。そして、つっている筋肉をゆっくりと伸ばしてあげてください。
詳しい解説
足のつりを和らげるための、具体的な方法をご紹介します。
- ゆっくりと筋肉を伸ばす ふくらはぎがつった場合は、座るか、壁などに手をついて立ち、つった方の足のかかとを床につけたまま、ゆっくりとアキレス腱を伸ばすように体重をかけます。痛みが強い場合は無理しないでください。 布団の中でつった場合は、足の指先を手で掴んで、ゆっくりと体のほうに引っ張るように伸ばします。 いずれの場合も、痛みが和らぐまで無理のない範囲でゆっくりと行ってください。
- つった場所を温める 温かいタオルなどでつった場所を優しく温めることも、筋肉の緊張を和らげるのに役立つ場合があります。
Q&A3: 足がつらないようにするためには、どんなことに気をつければよいですか?
A3: 日頃の生活でできる工夫があります。
足のつりを予防するためには、普段の生活の中でいくつか心がけると良いことがあります。
詳しい解説
予防のための具体的な方法をご紹介します。
- 水分とミネラルをしっかり摂る 特に夏場や運動の後だけでなく、普段からこまめに水分を摂ることが大切です。お水やお茶の他に、スポーツドリンクや、ミネラルを含んだ麦茶なども良いでしょう。食事でも、ミネラル(マグネシウムは海藻や豆類、カリウムは野菜や果物、カルシウムは乳製品や小魚など)をバランス良く摂ることを心がけましょう。
- 体を冷やさないようにする 特に足元を冷やさないように注意しましょう。靴下を履いたり、寝る時に足元に毛布をかけたり、夏場でもエアコンの風が直接当たらないようにするなど工夫してください。お風呂にゆっくり浸かることも体を温めるのに良い方法です。
- 軽い運動やストレッチをする 適度な運動は血行を良くし、筋肉をやわらかく保つのに役立ちます。ウォーキングなどの軽い運動を続けたり、寝る前やお風呂上がりなどに、今回ご紹介したような足のストレッチを習慣にすることもおすすめです。
- バランスの良い食事を心がける 特定のミネラルだけでなく、様々な栄養素をバランス良く摂ることで、体全体の調子を整えることができます。
Q&A4: どんな時に専門医に相談した方がよいですか?
A4: 足のつりが頻繁に起こる場合や、他の症状がある場合は相談しましょう。
足のつりの多くは心配のないものですが、中には体の病気が原因で起こっていることもあります。次のような場合は、一度専門の医師に相談することをおすすめします。
詳しい解説
- 足のつりが頻繁に起こり、つらい思いをしている。
- つるだけでなく、足のしびれや脱力感、むくみなど、他の症状も一緒にある。
- 飲んでいるお薬を変えてから、足がつりやすくなった気がする。
- 自分でできる対策を試しても、あまり改善が見られない。
医師に相談することで、つりの原因を調べてもらったり、適切なアドバイスや治療を受けたりすることができます。
まとめ
足のつり(こむら返り)はシニア世代によく見られる症状ですが、水分やミネラルの補給、体の冷え対策、軽い運動やストレッチなど、日頃の生活でできる対策で予防したり、つった時の辛さを和らげたりすることが可能です。
もし足のつりが頻繁に起こったり、何か気になる症状があったりする場合は、自己判断せず、お医者さんに相談してください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【ご注意】 この記事は一般的な情報提供を目的としており、個人の症状の診断や治療方法を示すものではありません。ご自身の体調にご不安がある場合や、症状が続く場合は、必ず専門の医師にご相談ください。