手足がピリピリ、ジンジンする? シニアの手足のしびれ、原因と自分でできること
手足のしびれは、シニア世代によく見られる体の不調の一つです。ピリピリ、ジンジン、チクチク、あるいは感覚が鈍くなるなど、感じ方はいろいろです。
なぜ手足がしびれるのでしょうか。そして、ご自身でできることはあるのでしょうか。ここでは、手足のしびれについて、分かりやすくお話しします。
Q1: 手足がしびれるのはなぜですか?
A: 手足のしびれには、様々な原因が考えられます。
詳しい解説
手足のしびれは、手や足の「神経」に何らかのトラブルが起きているサインかもしれません。神経は、脳からの指令を手足に伝えたり、手足の感覚(触る、痛い、冷たいなど)を脳に送ったりする役割をしています。この神経の通り道や、神経そのものに問題があると、しびれを感じることがあります。
考えられる主な原因はいくつかあります。
- 神経が圧迫される:
- たとえば、同じ姿勢を長く続けたり、手や足を下にして寝てしまったりすると、その部分の神経が一時的に圧迫されてしびれることがあります。これは時間が経てば自然に治ることが多いです。
- また、背骨の病気(首や腰の骨がずれたり、変形したりして、そこを通る神経が圧迫される)や、手首の病気(トンネルのように狭くなった部分で神経が圧迫される)などでもしびれが起こることがあります。
- 血行が悪くなる:
- 手足の血の流れが悪くなると、神経に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、しびれを感じることがあります。冷えや血管に関わる病気が原因になることもあります。
- 病気の影響:
- 糖尿病など、体の病気が原因で神経そのものに障害が起き、しびれにつながることがあります。
- 脳や脊髄(背骨の中を通る神経の束)の病気が原因で、手足にしびれが出現することもあります。特に、急に起こるしびれや、体の片側だけにしびれが出る場合は注意が必要です。
- その他:
- ビタミン不足や、薬の副作用が原因でしびれが出ることもあります。
このように、一時的なものから、体の病気が隠れている場合まで、原因は様々です。
Q2: 手足のしびれがある場合、自分でできることはありますか?
A: 症状を和らげたり、悪化を防いだりするために、日常生活でできることがいくつかあります。
詳しい解説
手足のしびれの原因によっては、ご家庭での工夫で症状が楽になることがあります。ただし、これはあくまで一般的な対処法であり、すべてのしびれに効果があるわけではありません。
ご自身で試せることとしては、以下のようなことが考えられます。
- 同じ姿勢を続けない:
- 長時間座ったり、立ったり、寝たりする際は、時々姿勢を変えたり、軽いストレッチをしたりして、手足の血行を良くするように心がけましょう。
- 座るときは、足を組むのを避けたり、足が床にきちんとつくように椅子の高さを調整したりすると良いでしょう。
- 体を冷やさない:
- 手足が冷えると血行が悪くなり、しびれが悪化することがあります。靴下や手袋を使ったり、温かい服装をしたりして、手足を冷やさないようにしましょう。
- お風呂にゆっくり浸かるのも血行促進に役立ちます。ただし、熱すぎるお湯は体に負担をかけることがあるので注意が必要です。
- 締め付けない衣類や靴を選ぶ:
- 体を締め付けるようなきつい服や靴下、靴は、血行を妨げる可能性があります。ゆったりとしたものを選びましょう。
- 適度な運動:
- 無理のない範囲で、ウォーキングや軽い体操などを行うことは、全身の血行を良くし、筋肉や関節の健康を保つのに役立ちます。ただし、しびれが強い時や、運動によってしびれが悪化する場合は無理しないでください。
- バランスの取れた食事:
- 特定のビタミン不足がしびれの原因となることもあります。様々な食品をバランス良く食べることを心がけましょう。特にビタミンB群は神経の健康に関わると言われています。
- 禁煙・節酒:
- タバコは血管を縮め、血行を悪くします。アルコールも神経に影響を与えることがあります。可能であれば、禁煙したり、お酒の量を減らしたりすることを検討しましょう。
これらの工夫は、一時的なしびれや血行不良によるしびれの改善に役立つ可能性があります。しかし、症状が続く場合や、原因がはっきりしない場合は、自己判断せず専門家に相談することが大切です。
Q3: どのような時に病院に行った方が良いですか?
A: しびれの他に気になる症状がある場合や、症状が続く場合は、医療機関で相談することをおすすめします。
詳しい解説
手足のしびれの中には、病気が原因となっている場合があります。特に以下のような場合は、早めに医療機関(かかりつけ医や、神経内科、整形外科など)を受診して相談することをおすすめします。
- しびれが急に始まった場合:
- 突然の手足のしびれ、特に体の片側だけに出ている場合は、脳の病気(脳梗塞など)の可能性も考えられます。時間とともに症状が進むこともあるため、ためらわずに救急車を呼ぶなど、すぐに医療機関を受診してください。
- しびれの他に他の症状がある場合:
- しびれと一緒に、以下のような症状がある場合は注意が必要です。
- 手足に力が入らない、うまく動かせない
- 顔の半分が動きにくい
- 話しにくい、言葉が出にくい
- 食べ物や飲み物が飲み込みにくい
- 立てない、歩けない、まっすぐ歩けない
- 激しい頭痛やめまいがある
- 尿や便の感覚がおかしい、漏れてしまう
- これらの症状が一つでも当てはまる場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- しびれと一緒に、以下のような症状がある場合は注意が必要です。
- しびれがどんどん強くなっている、または範囲が広がっている場合:
- 症状が悪化している場合は、何らかの病気が進行している可能性も考えられます。
- しびれが数日から数週間以上続いている場合:
- 一時的なものではなく、しびれが長く続いている場合は、隠れた病気があるかもしれません。一度医師に相談してみましょう。
- 安静にしていても、夜寝ている時でもしびれがある場合:
- 姿勢を変えたり休んだりしても改善しないしびれは、神経の病気など別の原因が考えられます。
- 思い当たる原因がないのにしびれがある場合:
- ぶつけた、圧迫されたなど、明確な原因がないしびれも、念のため医師に相談してみると良いでしょう。
手足のしびれは、体の重要なサインであることがあります。自己判断で様子を見すぎず、心配な時は専門家である医師に相談することが、安心につながります。医師は、しびれの様子や他の症状、これまでの病歴などを詳しく聞き、必要な検査をして、しびれの原因を調べてくれます。原因が分かれば、適切な治療法や対処法を提案してもらえるでしょう。
まとめ
シニア世代の手足のしびれには、血行不良や神経の圧迫、病気など様々な原因が考えられます。
ご家庭では、同じ姿勢を避けたり、体を冷やさないようにしたり、バランスの良い食事を心がけたりすることが、症状の緩和につながる可能性があります。
しかし、しびれが急に始まった場合や、手足に力が入らない、話しにくいなど他の症状を伴う場合は、すぐに医療機関を受診することが非常に重要です。しびれが長く続いたり、原因が分からなかったりする場合も、一度医師に相談してみましょう。
この記事が、手足のしびれについて考えるきっかけになれば幸いです。
ご注意: この記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療法を示すものではありません。ご自身の体調にご不安がある場合や、症状が続く場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けてください。