体がだるい、疲れやすい? シニアの疲労感、原因と生活の工夫
シニア世代の「体がだるい」「疲れやすい」という悩み
「なんだか体が重くて、動くのがおっくうだ」「前よりもすぐ疲れてしまう」と感じることはありませんか。
年齢を重ねると、体の変化から疲れやすさを感じることが増える場合があります。しかし、生活習慣を見直したり、体の状態を確認したりすることで、疲労感が和らぐこともあります。
この記事では、シニア世代によくある疲労感の原因と、ご家庭でできる簡単な工夫についてお伝えします。
Q1: 体がだるい、疲れやすいのはなぜですか?
A1: 年齢による体の変化や、いくつかの原因が考えられます。
詳しくご説明します。
詳しい解説
疲れやすさには、様々な原因が考えられます。主なものをいくつかご紹介します。
- 加齢による体の変化
- 年齢とともに、筋肉が少しずつ減ったり、体の色々な機能がゆっくりになったりすることがあります。これが、若い頃と同じように動けず、疲れを感じやすくなる原因の一つです。
- 体全体の働きを調整する「自律神経(じりつしんけい)」のバランスが崩れやすくなることも、だるさにつながることがあります。
- 睡眠不足
- 必要な睡眠時間がとれていなかったり、眠りが浅かったりすると、体が十分に休めず、疲れが残ってしまいます。
- 運動不足
- 体を動かさないでいると、筋肉が衰え、少しの動きでも疲れやすくなることがあります。また、血の巡りが悪くなることも、だるさの原因になります。
- 栄養不足や偏り
- 食事量が少なくなったり、同じものばかり食べていたりすると、体に必要な栄養(エネルギーのもとや、体の材料になるもの)が足りなくなり、疲れやすくなります。特に、体を作るタンパク質や、エネルギーを作るのを助けるビタミンなどが不足すると、だるさを感じやすくなります。
- 水分不足
- 体の中の水分が足りなくなると、血液がドロドロになりやすく、全身に酸素や栄養を運ぶ働きが落ちてしまいます。これも、だるさや疲れの原因になります。
- ストレスや心の状態
- 心配事があったり、気持ちが落ち込んでいたりすると、心だけでなく体も疲れてしまいます。
- 病気が隠れている可能性
- 疲れやすさが、体の病気のサインであることもあります。例えば、貧血、甲状腺(こうじょうせん)の病気、糖尿病(とうにょうびょう)、心臓の病気などが原因となっている場合もあります。
- 薬の副作用
- 飲んでいるお薬によっては、副作用としてだるさや眠気が出ることがあります。
このように、疲れやすさの原因は一つとは限りません。
Q2: 疲労感を和らげるために、自分でできることはありますか?
A2: はい、日々の生活でできる工夫がいくつかあります。
無理のない範囲で、試してみてはいかがでしょうか。
詳しい解説
ご家庭で今日からでもできる、疲れにくい体を作るための生活習慣の工夫をご紹介します。
- 規則正しい生活リズムを心がける
- 毎日できるだけ同じ時間に寝て、同じ時間に起きるようにしましょう。
- 朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びると、体の目覚めを助け、夜の眠りにつながります。
- バランスの取れた食事をとる
- 毎食、主食(ごはん、パン、麺類)、主菜(肉、魚、卵、豆腐などの大豆製品)、副菜(野菜、きのこ、海藻)をそろえるように意識しましょう。
- 特に、体を作るタンパク質は、お肉、お魚、卵、豆腐などに多く含まれます。毎食手のひらサイズのタンパク質源をとることを目指しましょう。
- 色々な種類の食べ物を少しずつでも食べることで、体に必要な栄養が偏りなくとれます。
- 十分な水分補給をする
- 喉が渇く前に、こまめに水分をとりましょう。一度にたくさん飲むのではなく、少しずつ飲むのがおすすめです。
- 朝起きた時、食事の前、入浴後、寝る前などにコップ一杯の水を飲む習慣をつけましょう。
- 特に暑い時期や、少し体を動かした時は、意識して水分をとりましょう。
- 無理のない軽い運動を取り入れる
- 毎日少しでも体を動かすことで、筋肉が保たれ、血の巡りが良くなります。
- 散歩やストレッチなど、気持ちよくできる運動から始めましょう。
- 「1日15分歩く」「座ったままで足踏みをする」など、短い時間からでも効果があります。
- 体操教室や地域の集まりに参加するのも良いでしょう。
- 質の良い休息をとる
- 疲れたと感じたら、無理せず休憩をとりましょう。
- 昼間に短いお昼寝をするのも良いですが、寝すぎると夜眠れなくなることがあるので、30分以内にするのがおすすめです。
- 趣味の時間を持ったり、好きな音楽を聴いたり、リラックスできる時間を作ることも大切です。
- ストレスをためない工夫をする
- 一人で抱え込まず、ご家族や友人、地域の相談窓口などに話を聞いてもらうことも大切です。
- 軽い運動や趣味、リラックスできる時間を作ることも、ストレスを和らげる助けになります。
これらの工夫は、すぐに劇的な変化を感じるものではないかもしれませんが、続けることで徐々に体の調子が整ってくることが期待できます。
Q3: どのような場合に病院に行った方が良いですか?
A3: いつもと違う症状がある場合や、疲労感が続く場合は医師に相談しましょう。
体のサインを見逃さないことが大切です。
詳しい解説
「年のせいかな」と自己判断せず、医療機関に相談することが大切な場合があります。
- 急にだるさが強くなった場合
- 今までと比べて、急にだるさがひどくなったと感じたら、早めに医師に相談してください。
- 疲労感だけでなく、他の症状がある場合
- 熱がある
- 体が痛む
- 体重が減った
- 食欲がない
- 咳が続く
- 息切れがする
- 手足がむくむ
- しびれがある
- といった、疲労感以外の気になる症状がある場合は、必ず医師に相談してください。
- 生活の工夫をしても改善しない場合
- この記事でご紹介したような生活習慣の改善をしばらく続けても、疲れやすさやだるさが改善しない場合は、体のどこかに原因がある可能性も考えられます。
- 特定の病気が心配な場合
- ご自身やご家族が、貧血や糖尿病、甲状腺の病気、心臓の病気など、疲れやすさの原因となる可能性のある病気について心配している場合も、医師に相談してみましょう。
まずは、かかりつけのお医者さんに相談することをおすすめします。必要に応じて、専門の科(内科など)を紹介してくれるでしょう。
ご自身の判断だけで市販薬や健康食品などに頼るのではなく、専門家の意見を聞くことが、安心して健康を保つための大切な一歩です。
まとめ
シニア世代の疲れやすさやだるさは、年齢による自然な変化の場合もあれば、生活習慣の乱れや、時には病気のサインであることもあります。
無理のない範囲で生活習慣を見直し、バランスの取れた食事、十分な水分、軽い運動、そして質の良い休息を心がけることが大切です。
もし、疲労感が強かったり、他の気になる症状があったりする場合は、「年のせい」と決めつけずに、必ず専門医に相談してください。ご自身の体の声に耳を傾け、健やかな毎日を送りましょう。