肩や首がこる、つらい? シニアの肩こり・首こり、原因と生活の工夫
シニアの体と心の健康相談室です。 今回は、多くの方が感じやすい「肩や首のこり」についてお話しします。
年齢を重ねると、「昔より肩がこるようになった」「首が回りにくい」と感じることが増えるかもしれません。肩や首のこりは、つらいだけでなく、生活の質を下げることにもつながります。
ここでは、なぜシニアになると肩や首がこりやすくなるのか、そして、日々の生活でどのような工夫ができるのかを、Q&A形式で分かりやすくお伝えします。
Q1: なぜシニアになると肩や首がこりやすいのですか?
A: いくつかの理由が考えられます。
年を重ねるにつれて、体の筋肉は自然と減っていきます。肩や首を支える筋肉も弱くなるため、疲れやすくなったり、こりを感じやすくなったりします。
また、骨や関節も変化します。首の骨(頚椎)が少しずつ変形したり、骨と骨の間にあるクッション(椎間板)が薄くなったりすることがあります。これが首や肩への負担となり、こりの原因になることもあります。
さらに、背中が丸くなるなど姿勢が変わることも、肩や首に余計な負担をかけ、こりにつながりやすくなります。
Q2: 肩や首のこりを和らげるには、どうしたら良いですか?
A: 日常生活でできるいくつかの方法があります。
肩や首のこりを和らげるためには、血行を良くすることが大切です。また、硬くなった筋肉を少しずつほぐしてあげることも助けになります。
具体的な方法
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体を温める:
- お風呂にゆっくり浸かることで、体全体や肩・首の血行が良くなります。
- 温かいタオルを肩や首にあてるのも良い方法です。やけどには十分注意してください。
- カイロを使う場合は、低温やけどにならないよう、服の上から貼るなど工夫してください。
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軽く体を動かす:
- 無理のない範囲で首や肩をゆっくり回したり、腕を上げ下げしたりする体操は、筋肉をほぐすのに役立ちます。
- 例:簡単な首と肩の運動
- 椅子に座るか、まっすぐ立ってください。
- ゆっくりと息を吐きながら、頭を前に倒し、あごを胸に近づけます。無理に押し付けないでください。
- ゆっくりと息を吸いながら、頭を元の位置に戻します。
- ゆっくりと息を吐きながら、頭を後ろに倒します。無理に力を入れすぎないでください。
- ゆっくりと息を吸いながら、頭を元の位置に戻します。
- ゆっくりと息を吐きながら、頭を右に傾け、右耳を右肩に近づけます。肩は上げないようにしてください。
- ゆっくりと息を吸いながら、頭を元の位置に戻します。
- 左側も同じように行います。
- 次に、肩をすくめるようにぐっと持ち上げ、ストンと下ろします。何度か繰り返します。
- 肩を前回し、後ろ回しと、ゆっくりと数回ずつ回します。
- これらの動きは、痛みを感じない範囲で行ってください。
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軽いマッサージ:
- ご自身やご家族の方に、肩や首の筋肉を優しくなでたり、軽くもんだりしてもらうのも良いでしょう。強く押さえすぎると、かえって痛くなることがありますので注意が必要です。
Q3: 日常生活で、肩や首のこりを予防するために気をつけることはありますか?
A: 普段の過ごし方を見直すことも大切です。
肩や首のこりは、毎日の生活習慣が原因になっていることも多いです。少し気をつけるだけでも、こりを予防したり、ひどくなるのを防いだりすることができます。
日常生活での工夫
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良い姿勢を心がける:
- 座る時は、背筋を伸ばし、椅子の背もたれに寄りかかりすぎないようにします。足の裏は床につけましょう。
- 立つ時も、お腹を少し引き締め、顎を軽く引くと、首や肩への負担が減ります。
- テレビを見たり、本を読んだりする時も、同じ姿勢を長く続けないように、時々休憩を挟んでください。
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寝る時の工夫:
- 枕が高すぎたり低すぎたりすると、首に負担がかかります。横から見た時に、首の骨が自然なカーブを描くような高さの枕が理想的です。
- 横向きで寝る場合は、体と首の間にできる隙間を枕で埋めるようにすると安定します。
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荷物の持ち方:
- 片方の肩ばかりに重いカバンをかけると、体が傾き、肩や首に負担がかかります。リュックサックを使うなど、重さが分散される持ち方を工夫しましょう。
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目の疲れをためない:
- スマートフォンや読書などで長時間近くを見続けると、首が前のめりになりやすく、目の疲れも肩こりにつながることがあります。適度に休憩を取り、遠くを見るようにしましょう。
まとめ
シニア世代の肩や首のこりは、加齢による体の変化や日々の生活習慣が関係していることが多いです。今回ご紹介した体を温める方法や簡単な運動、姿勢の工夫などを試してみてください。
これらの方法を試しても痛みが続いたり、しびれがあったり、日常生活に支障が出るような場合は、自己判断せず、一度お医者さんに相談することをお勧めします。専門家のアドバイスを受けることで、適切な原因を見つけ、より良い対処法が見つかることもあります。
毎日を快適に過ごすためにも、ご自身の体と向き合い、無理のない範囲でケアを続けていきましょう。
※この記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の症状については、必ず専門医の診断を受けてください。特定の治療法や商品の推奨をするものではありません。