食後の胃もたれがつらい? 原因と家でできる簡単な工夫
食後に胃が重く感じたり、もたれたりすることは、シニア世代でよく聞かれるお悩みの一つです。これは体の自然な変化によることもあれば、日頃の食事や生活習慣が関係していることもあります。ここでは、食後の胃もたれの原因や、ご自宅で簡単に試せる工夫についてご紹介します。
Q: 食後の胃もたれはなぜ起きるのですか?
A: 年齢とともに胃の働きがゆっくりになることや、食事の内容などが関係しています。
詳しい解説
食後の胃もたれを感じやすくなる原因はいくつか考えられます。
- 胃の働きの変化: 年齢を重ねると、食べ物を消化するために胃が動く力(これを「ぜん動運動」といいますが、難しく考えなくて大丈夫です)が、若い頃に比べてゆっくりになることがあります。そのため、食べた物が胃の中に留まる時間が長くなり、もたれを感じやすくなります。
- 消化液の量や働きの変化: 食べ物を分解する胃酸や酵素といった消化液の量や働きが弱くなることもあります。
- 食事の内容: 脂っこい物や消化に時間のかかる物をたくさん食べると、胃に負担がかかり、もたれやすくなります。
- 食べ方: 早食いや、食事中におしゃべりをして空気をたくさん飲み込むことなども、胃に負担をかけることがあります。
- ストレス: 心配事やストレスがあると、胃の働きが悪くなることがあります。
- その他の病気: まれに、胃や他の臓器の病気が隠れていることもあります。
Q: 胃もたれを軽くするために、食事で気を付けることはありますか?
A: 消化の良いものを、ゆっくりよく噛んで食べるように心がけてみましょう。
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食事の仕方や内容を少し工夫するだけで、胃もたれが楽になることがあります。
- ゆっくりよく噛んで食べる: 食べ物を細かくすることで、胃での消化が楽になります。一口あたり20回、30回と目標を決めて噛んでみましょう。
- 一度にたくさん食べ過ぎない: 胃への負担を減らすために、お腹がいっぱいになるまで詰め込むのではなく、腹八分目を意識しましょう。
- 消化の良い物を選ぶ:
- 良い例: おかゆ、うどん、よく煮た野菜、白身魚、鶏のささみなど、柔らかく脂の少ない物。
- 避けた方が良い例: 天ぷらやフライなどの揚げ物、脂身の多い肉、生もの、硬い物、食物繊維が多すぎる物(キノコ類やこんにゃくなど)、香辛料の強い物、冷たい物や熱すぎる物。
- 温かい物を摂る: 温かいスープや飲み物は、胃を温めて働きを助けることがあります。
- 寝る直前の食事は避ける: 食後すぐに横になると、胃の中の物が逆流しやすくなったり、消化が進みにくくなったりします。寝る2~3時間前には食事を終えるのが理想です。
Q: 食事以外で胃もたれ対策としてできることはありますか?
A: 食後の過ごし方や、軽い体操などが役立つことがあります。
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日々の生活の中で、胃もたれを和らげるための簡単な工夫があります。
- 食後すぐに激しい運動をしない: 食後は消化のために胃に血液が集まります。すぐに激しい運動をすると、胃の働きが妨げられることがあります。食後30分~1時間ほどは休憩しましょう。
- 食後に体を締め付けない: ベルトをきつく締めたり、お腹を圧迫するような姿勢をとったりすると、胃に負担がかかることがあります。食後はゆったりとした服装で過ごしましょう。
- 軽い運動を取り入れる: 食後しばらく休んだ後、近所を散歩するなど軽い運動をすることは、胃腸の動きを助けることがあります。ただし、体調が良い時に、無理のない範囲で行ってください。
- リラックスを心がける: ストレスは胃の働きに悪影響を与えます。好きな音楽を聴いたり、ゆっくりお風呂に入ったりするなど、自分に合ったリラックス方法を見つけてみましょう。
まとめ
食後の胃もたれは、加齢による胃の働きの変化や、食事の内容・食べ方などが関係していることが多いです。ゆっくりよく噛んで食べる、消化の良い物を選ぶ、食後に体を休めるなどの簡単な工夫で、つらさが和らぐことがあります。
ご紹介した方法はあくまで一般的なものです。もし食後の胃もたれが長く続いたり、痛みを伴ったり、体重が減ったりするなど、気になる症状がある場合は、自己判断せずに必ず専門医に相談してください。原因をしっかり調べてもらうことが大切です。